MORIUMIUSと「食の体験」

「MORIUMIUS at home」の取り組みの背景には、三陸・雄勝にあるこどものための複合体験施設「MORIUMIUS(モリウミアス )」の存在があります。ここでの「食」に対する考え方を、現地と離れたご家庭でも感じることができないか、という思いがきっかけとなってスタートしました。

こどもの複合体験施設「MORIUMIUS」

 「MORIUMIUS(モリウミアス)」は、三陸・雄勝の豊かな森と海と里で、自然とともに生きる暮らしを体験することができる、こどものための複合体験施設です。2002年を最後に閉校となっていた築93年の旧桑浜小学校を、もう一度学び舎として再生するために、モリウミアスはつくられました。
背景には、雄勝の町自体を学びの教材とし、豊かな自然とそこで暮らす人々とふれあうことで、モリウミアスに滞在するこどもたちの未来が拓けるきっかけになればという願い、そして、津波の被害にあった雄勝の復興に役立つことができればという願いがありました。

「循環する暮らし」と「食」の大切さ

モリウミアスでは、「循環する暮らし」があらゆるところで体現されています。生活排水を浄化し、ビオトープやや水田のための水として再利用するしくみや、お風呂を薪の火で沸かす際のエネルギーを室内の暖房にするしくみなどがあるほか、食べ残しも、庭で飼育されているニワトリやブタの餌となり、それらの糞が堆肥となって畑の作物を育て、料理につかう野菜として収穫されています。

そのような「循環する暮らし」の基盤のうえで、さらに要となる「食」については、とくに大切に考えられています。
モリウミアスの「食」を一手に引き受ける「食べるチーム」のスタッフは、「本当に身体にいい料理」を追求しながら日々食事作りをしています。

「本当に身体にいい料理」に欠かせない要素を以下の3つだと考え、これらをポリシーとしたメニュー作りが行われています。

1. 食材: 菌と発酵の力を生かす/無農薬・無科学肥料・天然醸造/身土不二/玄米菜食

2. 愛情: 食べる人のことを考えて、手間暇をかける

3. 料理: 郷土・伝統料理に敬意をはらう

この3つのポリシーは、モリウミアスで提供される食事はもちろん、こどもたちの自然体験プログラムにも、大きく反映されています。プログラムに参加するこどもたちも、食事作りに参加しますが、滞在期間中の食事に使うみりんや甘酒といった調味料を、まず自分たちで手作りするところから始まり、ごはんを釜で炊き、漁師さんから届いた魚介を、観察しながら捌いていきます。
こどもたちは、モリウミアスという場所で暮らすなかで、「ほんとうに身体にいい料理」を五感で感じていきます。

離れても、その大切さを思い出してもらうために

こどもたちが雄勝の大自然のなかで五感で感じる体験は、現地でしか得ることのできない特別なものです。
しかし、誰もが関わる「食」を通して、モリウミアスが大切だと考える価値感をより多くの人に伝えていくことは、きっとできるのではないかと考え、おこさまのいるご家族を中心に気軽に楽しんでいただける方法を模索しました。

モリウミアスに当たり前にある「食」と「学び」。これらを家族で楽しんで「自然と暮らしの循環」を感じていただくことができるよう、商品やプログラムのかたちにしました。
こどもたちが一番リラックスできるご家庭でこそ、発見を共有しあい、感性を高めていくことができるはずです。
「モリウミアス アットホーム」が、みなさまのご家庭で、小さくてもパワフルな「自然と暮らしの循環」を生み出していくきっかけとなればと願っています。

人と、自然に、ほんとうにいいものを自然の恵みとつながりを、おうちでも。